コンサルティング事例

合併に伴う就業規則の統一

依頼の経緯

H社のグループ会社であるH1社とH2社を合併することとなったが、両社は勤務条件(所定労働時間や休日数等)が異なるために、このままでは業務運営上支障をきたすため、合併時にできる限り労働条件を統一させたく、そのためのコンサルティングをしてほしいとの依頼によるもの。

コンサルティング内容

(1)雇用区分の整理と統一

H1社には社員のほか、契約社員A、契約社員B、嘱託、パート社員、アルバイトという6つの雇用区分が、一方、H2社には社員のほか、契約社員、パート社員の3つの雇用区分が存在していた。そこで、合併後の雇用区分について整理を行い、合併後の新会社では、社員、契約社員、嘱託社員、パート社員の4つの雇用区分に統一することとした。

(2)労働条件の統一方針の策定

H1社及びH2社の両社の現行の労働条件について、雇用区分ごとに比較し、差異のある労働条件について、統一の要否、統一後の新条件、そしてその統一時期等について、個々に整理を行った。特に、統一後の労働条件が、現行の労働条件よりも不利益に変更される部分(本案件では、H2社の社員の所定労働時間を15分延長させること等)については、あわせて代償措置や経過措置等についての検討も行った。
なお、社員については処遇(等級、評価、賃金、賞与、退職金)制度の統一は、合併までに実施することは困難であるとして、合併後3年以内に統一することを前提に、当面は両社の制度を併存させることとした。

(3)新規程体系の策定

両社の規程体系に違いがあることからその整理を行い、統一後の新たな規程体系を策定した。また、統一後の規程の構成(体裁、表記方法含む)について、H1社またはH2社にあわせるか、もしくは新たな構成にするかについて検討のうえ、H1社にあわせることとした。

(4)規程改定案の作成

上記(1)から(3)の検討をふまえ、以下の規程について改定案を作成した。なお、当面併存することとなった処遇に関する規程(給与規程、退職金規程、人事制度運用規程等)については、現行規程に付則を追加する等の所要の修正を行った。

  1. 就業規則
  2. 契約社員就業規則
  3. 嘱託社員就業規則
  4. パート社員就業規則
  5. 育児・介護休業規程
  6. 国内出張旅費規程
  7. 海外出張旅費規程
  8. 転勤規程
  9. 慶弔見舞金規程
(5)従業員への説明に関する必要なアドバイス

本案件では、就業規則の統一にあたっては不利益変更を伴うため、従業員への説明の仕方、従業員から想定される質問に対する回答案の作成等について、必要なアドバイスを行った。